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2002 年度 実績報告書

急性白血病に対する抗CD38抗体を用いた治療の基礎的、臨床的検討

研究課題

研究課題/領域番号 14770530
研究機関香川医科大学

研究代表者

北中 明  香川医科大学, 医学部, 助手 (70343308)

キーワードCD38 / CD19 / 未分化B細胞 / シグナル伝達 / モノクローナル抗体 / 急性リンパ性白血病 / 急性骨髄性白血病
研究概要

我々は、以前の検討で、抗CD38モノクローナル抗体によるCD38の架橋が、急性リンパ性白血病細胞ならびに急性骨髄性白血病細胞の増殖を抑制し、アポトーシスを誘導することを見出した。また、CD38架橋刺激後の細胞内シグナル伝達機構解明のためヒトCD38高発現マウスB細胞株(Ba/F3-CD38)を作製し、ヒト未分化B細胞と同様の細胞内シグナル伝達系を再構成することが可能となっている。抗CD38抗体を、酵素処理することにより得たF(ab')_2、Fabの各フラグメントを用いた検討では、未修飾抗体、各フラグメントがともにBa/F3-CD38に細胞凝集を引き起こした。以上より、抗体分子のFc部分、抗体分子の結合によるCD38分子の2量体化がいずれもシグナル伝達に必須ではないことが示唆された。
今回、我々は未修飾抗体、F(ab')_2、Fabフラグメントの間で、CD38架橋による細胞内シグナル伝達に差異が有るか否かをBa/F3-CD38細胞を用いて検討した。未修飾抗体は、従来の報告どおり各種の細胞内タンパクにチロシンリン酸化を誘起したが、F(ab')_2、Fabフラグメントは共に細胞内チロシンリン酸化を誘起しなかった。抗CD38抗体のF(ab')_2、Fabフラグメントを細胞に反応した後、ウサギ抗マウス免疫グロブリン抗体(未修飾抗体)を2次抗体として用いた架橋(クロスリンク)実験では、細胞内チロシンリン酸化が観察された。ところが、2次抗体にウサギ抗マウス免疫グロブリン抗体のF(ab')_2フラグメントを用いた場合は細胞内チロシンリン酸化を誘起できなかった。以上の結果から、少なくとも、ウェスタンブロッティングによって解析可能なレベルの細胞内チロシンリン酸化の誘起には、抗CD38抗体のFc部分が重要であることが示された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 北中 明: "ヒト未分化B細胞におけるCD38の機能とシグナル伝達"臨床免疫. (印刷中). (2003)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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