研究概要 |
1、対象症例と白血病細胞の精製 対象は白血病特異的マーカーCD15+CD117+芽球または、CD34+CD56+芽球が初診時に陽性であった成人急性骨髄性白血病患者である。本年度は18例が対象となった。うち、2例はCD15+CD117+芽球、D34+CD56+芽球ともに陽性であった。寛解導入療法終了後、寛解判定時に採取した骨髄液から単核球を分離、抗CD15抗体及び、抗CD117抗体、または抗CD34抗体及び抗CD56抗体で二重染色を行い、微少残存病変として二重要性細胞をCell sorter(FACSVantage,またはFACSort)を用いて分離した。得られた残存病変に対し、以下の検討を行った。 2、免疫細胞化学 芽球のサイトスピン標本を作成し、抗PGP抗体、抗LRP抗体、抗Bcl-2抗体、抗c myc抗体を用いて染色し、これらの蛋白発現を検討した。PGP発現率は、0.00 25.32%、LRP発現率は0.00 15.50%、BCL-2発現率は0.00 3.20%、c-myc発現率は0.05 2.00%であった。 3、FISH 微少残存病変のclonalityをFISH法で確認した。マーカー染色体(例:trisomy8)は6例で得られた。上記2で抗体染色した標本を脱色し、FISh probeでhybridizationを行った。6例中4例で残存病変のclonalityが確認された。 4、mRNAの解析 微少残存病変から抽出したRNAを用いて、RT-PCR法で、MDR1mRNA,LRP mRNA,WT-1 mRNAの半定量を行った。MDR1 mRNAは、10例で検討し、6例で検出された。LRP mRNAは、6例で検討し、2例で検出された。WT-1 mRNAは、10例で検討し、8例で検出された。 5、Apoptosisの解析 微少残存病変を抗Fas抗体で染色してFas発現を解析した。Fas発現率は、0.00 0.10%であった。また、抗Fas抗体を作用させ、AnnexinV染色、7AAD染色を行い、Apoptosis誘導の検討を行った。抗Fas抗体の作用によるapoptosisの誘導は、18例中6例で認められた。
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