• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2002 年度 実績報告書

腎不全長期合併症の病態における生体内カルボニルストレス消去系の意義の解明

研究課題

研究課題/領域番号 14770553
研究機関福島県立医科大学

研究代表者

旭 浩一  福島県立医科大学, 医学部, 助手 (60274966)

キーワード慢性腎不全 / 動脈硬化 / カルボニルストレス / 酸化ストレス / 骨代謝障害
研究概要

培養細胞におけるカルボニル消去酵素群高発現系,カルボニル消去系阻害の実験系の構築のため基礎的検討が進行中である.これに先行して,腎不全長期合併症の病態におけるカルボニルストレスとその消去因子の意義についての臨床的検討でいくつかの新たな成果を得た.
イタリアのZoccaliらとの85名の血液透析(HD)患者を対象とした共同研究で,カルボニルストレス蛋白修飾最終産物であるpentosidineの血中レベルが血中PTH,骨型alkaline phosphataseレベルと逆相関することを示し,カルボニルストレスが腎不全における低骨回転性の骨代謝障害に関与する可能性を臨床的に初めて示した(Panuccio V, et al. Am J Kid Dis;40:810-815.2002).
また,日本国内10施設608名のHD患者を対象とした多施設共同研究で患者背景因子,既往歴,透析条件,服薬内容,advanced lipoxidation end product(ALE)であるmalondialdehyde(MDA)を、含む生化学的指標と予後の関連を横断的に検討し,高感度C reactive protein(HSCRP)が極めて強力な死亡リスク予測因子であり,生体内カルボニルの主要な内因性消去因子である血清アルブミンレベルの上昇ならびにangiotensin converting enzyme inhibitor(ACEI)またはangiotensin II receptor blocker(ARB)の服用が有意の総死亡リスク軽減因子であること'を明らかにした.ACEI/ARB使用群は非使用群に比し血圧が有意に高値であるにもかかわらずHSCRPは有意に低値でMDAが低値の傾向であったことより,ACEI/ARB使用が血圧コントロールと独立してその抗炎症特性や,最近基礎的検討において示されたARBのカルボニル消去活性(Miyata T, et al. J Am Soc Nephrol;13:2478-2487)などを介してHD患者の動脈硬化性疾患をはじめとする合併症による死亡リスクを軽減させる可能性が示唆された(投稿準備中).

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Panuccio V, et al.: "Low parathyroid hormone and pentosidine in hemodialysis patients"American Journal of Kidney Disease. 40. 810-815 (2002)

  • [文献書誌] Asahi K, et al.: "Fabry disease with few clinical signs and symptoms"Internal Medicine. 41. 983-985 (2002)

  • [文献書誌] 旭 浩一, 渡辺 毅: "特集:動脈硬化と腎病変,腎疾患治療と動脈硬化進行防止効果.腎疾患治療薬-抗血小板薬,抗酸化物質,経口吸着薬-"腎と透析. 54(印刷中). (2003)

URL: 

公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi