1)同意が得られ、糖尿病や心疾患などの合併症を有さず、血圧のコントロールが比較的マッチした腎生検で診断され、発症から5年以上経過したIgA腎症患者のうち、49例を対象とした。 2)血中総アドレノメデュリンおよび活性型である成熟型アドレノメデュリン濃度をRIA (IRMA)にて測定した。 3)患者末梢全血よりQIAGEN QIAamp Blood kitを用いてDNAを抽出した。 4)既に日本人での出現頻度が検討されているSNPのうち、アドレノメデュリンに関連すると考えられる2箇所のSNP(Celera RefSNP ID ; hCV11583583およびhVC215752)を含むプライマーを使用した。(昨年使用したものとは異なる。) 5)ABIPRISM 7700 Seequence Detection Systemを用いて、TaqMan MGBプローブを、プライマーとTaqDNAポリメラーゼとともにPCRを行い、VICとFAMの蛍光強度により、タイピングを行った。 6)今回検討した49例において、アドレノメデュリンに関連すると考えられた2箇所のSNPのSNP(hCV11583583およびhVC215752)の出現頻度は、IgA腎症患者でそれぞれ14.7%、40.7%であったが、各々のSNPの出現に関連性は認められなかった。血漿中総アドレノメデュリンおよび成熟型アドレノメデュリン値との関連では、hCV11583583のSNPの出現との関連は認められなかったが、hVC215752のSNPに関しては、wild typeがhomoの患者ではそれぞれ14.6±0.9、2.0±0.2fmol/mlであったのに対して、mutant typeがhomoの患者ではそれぞれ17.4±1.6、3.0±0.6fmol/mlと有意に高値を示した。また、血清クレアチニン値、尿蛋白量においてもmutant typeのhomoで有意に高値を示した。
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