研究概要 |
1)同意が得られ、糖尿病や心疾患などの合併症を有さず、血圧のコントロールが比較的マッチし、腎生検で診断され、発症から5年以上経過したIgA腎症患者のうち、49例を対象とした。また、IgA腎症以外の慢性糸球体腎炎患者40例、健常人36例をコントロールとした。 2)アドレノメデュリン濃度をRIA (IRMA)にて測定した。 3)患者末梢全血よりQIAGEN QIAamp Blood kitを用いてDNAを抽出した。 4)今回新たにJSNP databaseに載ったアドレノメデュリン遺伝子上の2箇所のSNP (JSNP ID ; IMS-JST016211, IMS-JST016212)およびアドレノメデュリン受容体遺伝子上のSNP (IMS-JST092608)を含むプライマーを作製した。(昨年、一昨年作製したものとは異なる。) 5)ABI PRISM 7700 Seequence Detection Systemを用いて、TaqMan MGBプローブを、プライマーとTaqDNAポリメラーゼとともにPCRを行い、VICとFAMの蛍光強度により、タイピングを行った。 6)今回検討した49例において、アドレノメデュリン遺伝子上の2箇所のSNP (JSNP ID ; IMS-JST016211,IMS-JST016212)出現頻度は、IgA腎症患者でそれぞれ10.2%,2.0%、アドレノメデュリン受容体遺伝子上のSNP (IMS-JST092608)の出現頻度は、IgA腎症患者で2.0%であり、各々のSNPの出現頻度は非IgA腎症や健常人と有意差は認めなかった。血漿中アドレノメデュリン値との関連では、IMS-JST092608のSNPの出現との関連は認められなかったが、IMS-JST016211およびIMS-JST016212のSNPに関しては、wild typeがhomoの患者に対して、mutant typeがhomoの患者では高値を示した。また、血清クレアチニン値、尿蛋白量においてもmutant typeのhomoで高値を示した。
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