研究概要 |
膵β細胞腫のモデルとして,ラット膵β細胞腫を用いてINS-1細胞を用い,men1 geneおよびmeninの発現,性質を検討した。RT-PCR法にてmenin mRNAの,Western blot法にてmeninの発現を検討した結果,INS-1細胞にては,特異的なmeninの発現を確認した。また,既報のラットmenin cDNAをもとにラットゲノムデータベースより同定したイントロンに特異的にプライマーを設定し,INS-1細胞のgenomic DNAを用い,men1 geneの変異を検討。その結果,既報の塩基配列と完全一致が確認された。更に,比較検討実験として,ラット下垂体腺腫細胞株(GH3)およびラット副甲状腺細胞株(PT-r)にて,同様の検討をした。その結果,両細胞株にてもmeninの特異的な発現は確認できたが,men1 geneの変異は認められなかった。以上から,INS-1およびGH3,PT-r細胞には,野生型のmeninが発現されていることが確かめられた。 INS-1細胞でのmeninの細胞増殖能への影響を検討する為に,テトラサイクリン誘導性プロモターを持つ野生型,変異型menin発現プラスミドを構築。現在,各発現プラスミドを安定発現するINS-1細胞株の樹立を行っている。
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