Dehydroepiandrosterone (DHEA)はC57BL/KsJ-db/dbマウスの肝糖放出を抑制する 目的:副腎アンドロゲンのDehydroepiandrosterone (DHEA)は思春期に分泌量が増加し、加齢と共に低下するユニークなホルモンである。以前、我々はDHEAには肝臓glucose-6-phosphatase (G6Pase)を抑制することによりインスリン低抗性改善作用があることを報告してきた。そこで今回、DHEAの肝臓に対するインスリン低抗性改善機序について、糖放出の観点から、インスリン抵抗性を示す2型糖康病モデル動物であるdb/db及び非糖尿病db/+mマウスを用いてを検討をおこなった。 方法:7週齢の雄性のdb/dbマウスに0.4%DHEA食を1週間投与した。最初の検討では、尾静脈よりNaH14CO3を静注し、hexokinaseで処理後、30分後にtotal countに対する14C-glucoseの比を求めた。さらに、同マウスを用いた初代培養肝細胞にて、基質にfructoseを加え、30分後に上清中のglucose濃度を定量した。 結果:NaH14CO3を用いた検討では、db/+mに比し、db/dbマウスで糖放出が亢進しており、DHEA投与群では糖放出が有意に抑制された。初代培養肝細胞の系にても同様に、db/+mに比しdb/dbマウスで上清中のglucose濃度が高く、DHEA投与群ではglucose濃度が低下した。 結論:DHEAは糖尿病db/dbマウスにおいて肝糖放出を抑制し抗糖尿病作用を有しているものと考えられた。
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