GLUT4トランスローケーションはインスリンによって促進されることは周知のことである。しかし、近年これとは別のシグナル伝達が存在することが明らかとなった。それはRab4を介さない経路の存在やアデノシン-リン酸活性型蛋白キナーゼ(AMPK)による糖取り込み促進経路である。そこで、これらの経路を解明するためインスリン以外の作用機序が考えられるコロソリン酸についてGLUT4トランスローケーションにおよぼす影響を検討した。 コロソリン酸の血糖低下作用:コロソリン酸10mg/kgを遺伝的2型糖尿病モデル動物であるKK-Ayマウスに経口投与し、投与後4および7時間に血糖値および血漿インスリン値を測定した。その結果、投与4時間に血糖低下作用を有することを確認した。また、インスリン値には投与4および7時間いづれの時間においても変化は見られなかった。 コロソリン酸のGLUT4トランスローケーションにおよぼす影響:KK-Ayマウスにコロソリン酸10mg/kgを経口投与し、血糖低下作用のあった投与後4時間の筋肉を摘出し、血漿膜画分(PM)と低比重膜画分(LDM)を調整後GLUT4トランスローケーションをウエスタンプロッティング法により検討した。その結果、コロソリン酸投与群はPMのGLUT4タンパク発現を増加させる作用が認められた。これらのことから、コロソリン酸はGLUT4トランスローケーションを促進することにより血糖低下作用を示すことおよびその作用はインスリンを介さないことをはじめて明らかにした。
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