1)膵癌細胞株Miapaca2、Panc1、HPAF2、Capan2及び胆癌細胞株HuH28、HuCCT、TKKKにおける正常、及び低酸素状態でのHIF1alphaの発現をwestern blottingにて検討した結果、低酸素状態では全ての細胞で高発現を認め、Panc1以外の細胞では正常状態でも発現が認められた。 2)当初、HIF1alphaの発現抑制はantisenseで行う予定としていたが最近発表されたより強力な発現抑制手段であるsiRNAを用いることとした。より効果的かつ持続的な発現抑制を期待してsiRNA発現plasmid vectorを作成してtransfectionし、northern blottting、western blottingを施行したところ、約70%の抑制効果を認めた。 3)さらに、HIF1alphaを抑制したことにより、転写を制御されているVEGF、Glut1、AldoraseAの変化をRT-PCRにて検討した結果、その早期の段階では特に変化が認められなかったが数日後には約50%の発現抑制効果が確認された。 4)膵癌細胞株Miapaca2にlipofection法にてHIF1alphaに対するsiRNA発現plasmd vectorを導入してG418にてselectionをかけた後growth assayを施行したところ、約40%の増殖抑制効果が確認できた。 5)ヌードマウスを用いて皮下腫瘍モデルを作成し、これにHIF1alphaに対するsiRNA発現plasmd vectorを局所注入して腫瘍増殖抑制効果を検討中である。
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