研究概要 |
本研究計画は「ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針(三省合同指針)」に従い立案し、「東京女子医科大学・遺伝子解析研究に関する倫理審査委員会」において平成13年12月に承認され(許可番号12)、DNAサンプルの収集を開始した。平成15年2月末の段階で106家系260名のDNAサンプルの収集を終え今年度から収集済みのDNA試料の一部を用いて遺伝子解析を開始した。しかし収集したサンプル数が予定を下回っているため来年度もDNAサンプルの収集を継続し、一定の解析検定力を確保することに努める。 SNP解析に用いる手法には当初直接シークエンス法を予定していたが、TaqMan法に基づくAssays-on-Demand, SNP Genotyping Products(アプライドバイオシステムズ社)を使用することで、より低コストかつハイスループットのタイピングが可能となった。また伝達不平衝テストに用いるプログラムは当初SpielmanらによるTDT/S-TDTの使用を予定していたが、収集した家系は両親が揃わない場合が多いため、不完全家系の解析により適したClaytonによるTRANSMITプログラムを使用することとした。 これまでに免疫関連遺伝子を中心に6遺伝子、20SNPを解析したが有意な差は得られていない。また平成15年に理化学研究所より関節リウマチの疾患感受性遺伝子として報告されたpeptidylarginine deiminases typeの追試を行ったが、TRANSMITによっては有意な差が得られず追認不可能であった。今後当施設で作成した発現遺伝子データベースおよび公開されているハプロタイプ情報をもとに効果的な解析対象遺伝子の選定をすすめる。
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