Human Immunodeficiency Virus(HIV>の感染効率について熱ショック蛋白質(Heat shock protein-HSP)の影響をみるため以下の実験を実施した。感染系としてはHIV-5感染T細胞(MOLT4/HIV IIIB)とHIV非感染MOLT4細胞を用いた。 ●熱ストレスの影響 HIV非感染NOLT4細胞を熱ストレスを感染前にかけHSP誘導効果と感染効率への影響をみた。恒温槽での温熱ストレスとして37度、39度、41.5度の影響をみるため37度恒温槽培養中から、各温度設定温水中に15分間培養した。Western blot法にて41.5度培養を加えることでHSPを効果的に誘導可能であることが確認された。各温度負荷をHIV非感染MOLT4細胞に加えた後、HIV-5憾染T細胞(MOLT4/HIV IIIB)と共培養を行い、あらたな感染が成立したことを示す巨細胞の形成状態を評価した。その結果、巨細胞のHPF下での形成数は41.5度の温熱ストレスをかけたHIV非感染MOLT4細胞でもっとも少なかった。これらの結果からHIVにおいてもあらかじめHSPを誘導しておくことで磁染成立を抑制することが可能であることが示唆された。 このことは前年に明与かにしたマウスを用いた実験でHSPの誘導によりインフルエンザウイルスを抑制できたことをさらに裏付けるものであり、インフルエンザウイルスだけでなくHIVにおいても感染の成立にHSPが深く関係していることを示唆するものである。 現在、マウスインフルエンザウイルス感染実験で示したGeranylgeranylacetoneのMOLT4細胞でのHSP誘導効果と、それにともなう感染制御効果について検討中である。
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