研究概要 |
平成14年度の報告で、ラット頚動脈の低酸素性血管弛緩反応は,一部ATP感受性カリウムチャネルを介するが,他のカリウムチャネルはこれに関与しないことが明らかとなった.一方,局所麻酔薬リドカインは,濃度依存性にATP感受性カリウムチャネル開口薬による血管弛緩反応を抑制するが,低酸素性血管弛緩反応は影響しなかった。平成15年度は、当施設における動物室の検疫規定によりOLETFおよびLEラットが入手できなかったため、平成14年度の結果についての機序を検討した。ラット頚動脈における低酸素性血管弛緩反応は、2相性の弛緩反応を呈したため、その機序について、tyrosine kinase inhibitor (Genistein (1μM) or Erbstatin A (3μM)),PKC inhibitor (Calphostin C (0.3μM))を用いることにより、tyrosine kinaseおよびPKCの関与を検討し、tyrosine kinaseが、2相性の低酸素性血管弛緩反応に影響を与えることが明らかになった。 平成16年度は、OLETFおよびLEラットにおける糖尿病に対する影響についての実験を行う予定である。
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