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本研究において、種種のラットの前立腺癌モデルを当施設において確立することより始めた。ホルモン誘導性モデルと化学発癌モデルに関して、前立腺のvetral prostate内に高い発生頻度で上皮内癌が発生した。しかしながら間質へ浸潤する癌の発生は確認できず、ヒト前立腺癌と異なるように考える。またDMSAとtestosterone propionateを投与しdorsolateral prostateに浸潤癌を発生させるモデルの報告もあり、こちらも現在検討している。
これらの前立癌組織を用いて、SantaCruz社の特異的RARサブタイプポリクローナル抗体で発癌過程におけるRAR蛋白の発現パターンを検討した。
正常前立腺上皮においては弱い発現しか認められなかったRARα蛋白の発現は、腫瘍部で増強していた。また間質細胞、血管内皮細胞の細胞質にも弱い発現を認めた。RARβ蛋白では、正常上皮細胞、腫瘍細胞ともに細胞膜に強い発現を認めた。RARγ蛋白では特異的な発現は認められなかった。
以上より、RARs蛋白の発現が確認されたものの、腫瘍特異的ではなかった。
現在前立腺癌発現過程における蛋白とmRNAに関して検討し、前立腺癌とRARs発現の関係を総括している。
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