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2002 年度 実績報告書

腎結石の発生機序におけるcyclooxygenase-2の役割に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 14770819
研究機関和歌山県立医科大学

研究代表者

柑本 康夫  和歌山県立医科大学, 医学部, 助手 (50295820)

キーワード腎結石 / 蓚酸 / Cyclooxygenase-2 / MDCK細胞 / phospholipase A2
研究概要

(1)培養尿細管細胞における蓚酸によるCyclooxygenase-2(COX-2)の発現についての検討
方法:遠位尿細管細胞由来のMDCK細胞に蓚酸ナトリウムを添加し、経時的にCOX-2 mRNAの発現をNorthern blot法にて検討した。
結果:1.0〜1.5mMの蓚酸添加2時間後から、COX-2 mRNAの発現はコントロールに比較して約2〜5倍に亢進した。また、この現象はphospholipase A2阻害剤mepacrineにより抑制されること、およびリゾリン脂質であるphosphatidylcholineにより再現されることから、蓚酸によるCOX-2 mRNA発現にはphospholipase A2 pathwayが関与していることが明らかとなった。
(2)ラット尿路結石モデルにおけるCOX-2発現についての検討
方法:6週齢雄Sprague-DawleyラットにビタミンD3およびエチレングリコールを2週間投与することにより腎への蓚酸カルシウム結晶の沈着を惹起した(モデル1)。また、蓚酸ナトリウムを腹腔内投与することにより、2〜6時間後といった早期の影響を検討した(モデル2)。両モデルにおいて摘出した腎からmRNAを抽出しreal time PCR法によりCOX-2 mRNAの発現について、また免疫組織染色によりCOX-2蛋白の発現について検討した。
結果:モデル1においては、COX-2の発現はmRNAおよび蛋白レベルともにコントロールと同程度であった。また、モデル2においては、蓚酸投与によりラット腎におけるCOX-2発現はmRNAおよび蛋白レベルともに減弱する傾向が認められた。
以上のごとく、培養尿細管細胞と結石モデルの腎とでは相反する結果が得られた。一般的に腎におけるCOX-2の発現はレニン-アンギオテンシン系によって抑制されることが知られている。また、結石形成過程へのアンギオテンシン系の関与を示唆する転告がみられることから、本研究のラット結石モデルにおいてCOX-2の発現が抑制されたのは、レニン-アンギオテンシン系の関与によると推測される。今後、こうした点について検討を進める予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 柑本康夫, 西浦理恵, 中村靖司, 西畑雅也, 平野敦之, 新家俊明: "ラット結石モデルにおけるCOX-2発現についての検討"日本尿路結石症学会誌. 1巻・1号. 74-77 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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