1.uNK細胞の機能分担をみる目的で、2種類のuNK細胞の構成比率を変えて各種サイトカイン、ケモカイン(M-CSF、G-CSF、GM-CSF、MIP-1α)の分泌を測定した。すなわち磁気ビーズ(CD16、CD56)を用いて分泌期子宮内膜浮遊液(CD56(+)CD16(+)子宮内膜浮遊液とCD56(+)CD16(-)子宮内膜浮遊液)を作成のうえ培養した。この結果、CD56(+)CD16(+)子宮内膜浮遊液に比してCD56(+)CD16(-)子宮内膜浮遊液においていずれのサイトカイン、ケモカイン分泌も増加していることが明らかとなった。 2.外因性にuNK細胞の機能発現に影響を与える因子をみる目的にDanazolおよびGnRHアゴニストを添加したうえでuNK細胞サブポピュレーションとサイトカイン分泌を測定した。この結果、Danazolの添加によりCD16^-CD56^<bright>細胞が増加することが明らかとなった。来年度以降、この結果がDanazolの直接作用であるか否かを検討する予定である。 3.本研究の最終目的である体外受精・胚移植(IVF-ET)着床率向上を目標として反復IVF-ET不成功例に対して、ダナゾールあるいは対照としてGnRHアゴニストの前投与を12週間行ったうえでIVF-ETを行い、uNK細胞サブポピュレーション(CD16+CD56dim細胞、CD16-CD56bright細胞)、子宮内T細胞、NKT細胞などの変化を測定し、臨床データを交えて発表を行った。
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