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2003 年度 実績報告書

婦人科癌の血管新生過程におけるアミノペプチダーゼの関与と遺伝子治療への応用

研究課題

研究課題/領域番号 14770845
研究機関名古屋大学

研究代表者

柴田 清住  名古屋大学, 医学部附属病院, 助手 (90335026)

キーワードA-LAP / VEGF / 血管新生
研究概要

子宮体癌細胞株(HEC-1A)にA-LAPを遺伝子導入した細胞株HEC-1A-A-LAPを作製した。HEC-1A-A-LAPは親株に比較し、細胞内のA-LAP発現は約5倍に増加しており、また、培養液中のA-LAPも増加していた。アンジオテンシンIIを添加したところ、親株ではアンジオテンシンII(10-8M)でVEGFの分泌が約2.2倍に増加したのに対し,HEC-1A-A-LAPではアンジオテンシンIIによるVEGFの分泌促進は完全に抑制された。また、アンジオテンシンII(10-8M)を添加した親株とHEC-1A-A-LAPの培養液を血管内皮細胞(HUVEC)に添加し、遊走能の変化を検討したところ親株の培養液では遊走能が約2倍に増加したのに対して、HEC-1A-A-LAPの培養液では遊走能に変化を与えなかった。親株の遊走能の促進はVEGFの中和抗体により完全に抑制された。以上の結果から、アンジオテンシンIIは子宮体癌細胞のVEGF分泌を促進し、血管内皮細胞の遊走能を促進した。A-LAP遺伝子導入細胞では、A-LAPがアンジオテンシンIIを分解することにより、アンジオテンシンII添加によるVEGF発現の促進が認められず、血管内皮細胞の遊走能の促進も認めなかった。次に、実験動物を用いて、腫瘍増殖におけるA-LAPの機能を検討する目的でHEC-1Aの親株とHEC-1A-A-LAPをヌードマウスに皮下移植し、腫瘍増殖の変化及び腫瘍組織の病理学的検討を行った。腫瘍増殖能は両群間に有為な差を認めなかった。腫瘍を摘出し、VEGF及び血管内皮細胞のマーカーであるCD31の免疫組織染色を行ったところ、HEC-1A-A-LAPの腫瘍組織ではVEGF、CD31発現はともに親株に比較し著明に減少していた。つまり、HEC-1A-A-LAP細胞はin vivoにおいても腫瘍増殖には影響しなかったが、血管新生が抑制された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Yoshiteru Watanabe, Kiyosumi Shibata et al.: "Expression of Adipocyte-Derived Leucine Aminopeptidase (A-LAP) and its Involvement in Angiotensin II-induced VEGF Expression in Human Endometrial Carcinoma Cells."Clinical Cancer Res. 9(17). 6497-6503 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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