| 研究概要 |
1.老齢マウスを用いた抗精子抗体産生ハイブリドーマの作製
無処置のまま飼育した52週齢のC57BL x DBAF1 (BDF1)雄マウスの脾細胞とマウスミエロー細胞SP2/0からハイブリドーマを作製した。マウス精巣上体より抽出した精子をメタノール固定し、これに反応するモノクローナル抗体産生株を2株(Ts-3、TS-4)樹立した。
2.モノクローナル抗体の解析
1)Ts-3抗体:IgA(κ)メタノール、ホルマリン固定および活動マウスの精子尾部と反応した。組織免疫染色ではABC染色により精巣、卵巣、肝臓、腎臓など臓器非特異的な反応を認めた。組織染色は過ヨウ素酸処理後も同様に染色された。対応抗原の同定を目的として、マウス精巣cDNAライブラリーをスクリーニングしたが特異的抗原は同定できず、その過程で大腸菌βガラクトシダーゼやリステリアaspartyl-tRNA synthetaseと反応することが確認された.
2)Ts-4抗体:IgM(κ)メタノール、ホルマリン固定後のマウス精子先体と反応した。組織免疫染色では精祖細胞を除く精巣性細胞と特異的に反応し、他臓器(卵巣、卵管、気管、肺、肝臓、腎臓、脾臓、甲状腺、膀胱、筋肉)には反応しなかった。また、過ヨウ素酸処理後も同様に染色された。精巣組織から尿素にて蛋白抽出を行い,2次元電気泳動、ウェスタンブロッティングを行った。現在、対応蛋白のアミノ酸シークエンス中である。また、Ts-4抗体のVH領域のアミノ酸シークエンスを行い、V領域でゲノム遺伝子V23と1塩基の変異を認めるのみであった。
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