研究概要 |
頭頸部をはじめとする悪性腫瘍の生物学的悪性度は、血管新生の多寡に相関することが知られており、さらに色素上皮分化因子(PEDF)は血管新生抑制作用があることが最近になって明らかとなってきたため、毛細血管の構成細胞である血管内皮細胞と周細胞についてin vitroで検討をおこなった。本研究の今年度の主な成果は以下のとおりである。 1.周細胞がプロスタグランディンの刺激にて増殖すること。およびその増殖シグナルの解析をおこない、「プロスタグランディンの毛細血管周細胞(pericyte)増殖作用」の演題名にて平成14年日本耳鼻咽喉科学会総会において口演した。 周細胞の増殖にシクロオキシゲナーゼが関与すること。増殖刺激の一つはシクロオキシゲナーゼにより産生されるプロスタグランディンであること。さらにその刺激はCREBに依存していることを、「Prostaglandin D_2 Enhances Expression of c-Fos mRNA and Proliferation of Human Retinal Capillary Pericytes by Activating the cAMP Response Element Binding Protein, CREB.」の題名にてInvestigative Opthalmology & Visual Science誌に発表した。 3.PEDFの血管内皮細胞と周細胞の増殖、および血管内皮細胞の細胞死に関与していることを、「血管構成細胞におけるPigment epithelium differentiation Factorの役割」の演題名にて平成14年日本アレルギー学会において口演した。
|