研究概要 |
我々はこれまで頭頸部癌に関し化学療法併用放射線療法と手術療法を組み合わせた集学的治療を行ってきている。頭頸部領域は呼吸、嚥下、構音など重要な生理機能を持つており、今後も機能温存を計りつつ原発巣および頸部リンパ節転移をどうコントロールするかが重要である。そのためには、頭頸部癌の発生、伸展、転移の過程における様々な遺伝子異常や、増殖因子の過剰発現、細胞外器質の解明が重要である。我々は、これまで、喉頭がんについて間質の変化を中心に病理学的に検討してきた。また、基礎的な研究に加え、臨床統計も検討に加えて発表してきた(Sawatsubashl M. al : CO2 laser surgery and radiotherapy in combination for early glottic carcinoma. 18th UICC International Cancer Congress, Oslo - Norway 30 June - 5 July, 20Q2;Int J Cancer 2002 (suppl 13):255)。 平成15年度は、平成14年度に引き続き、頭頸部癌患者の放射線化学療法前と治療後について病理標本を用い、間質の変化について免疫染色、In situ hybridization法、PCR法などを用い比較検討予定であった。 研究代表者の関連病院への出向(大学助手辞職)により、研究時間及び研究費が十分に得られず(研究費の返還)、計画は研究途中で頓挫した。そのためにこれ以上の研究継続は出来ず、研究成果も本年度はほとんどない。 研究者が大学を退職しても、何らかの形で研究が継続できるような制度改革を希望する。
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