治療として根治的切除術を行った口腔内扁平上皮癌の5症例について、承諾書をとって腫瘍組織、周囲の正常組織を採取して迅速凍結保存を行った。それらの検体よりRNAを抽出し、まずRNAのqualityをチェックして良好であることを確認した。次いでそのRNAを鋳型としてreverse transcriptionにてcDNAライブラリを作成し、同一固体の正常由来、腫瘍由来で別々の蛍光ラベルを行って、3800個のロングオリゴを付着させたClontech社製のグラスアレイ(Atlas^<TM> Glass 3.8 Mciroarray)に競合的ハイブリダイズを行った。そのグラスアレイの蛍光をスキャナー(phosophoimager)にて検出した。まず同一個体の腫瘍と正常組織で発現しているメッセージの発現値の対比を取り、腫瘍に2倍以上過剰発現しているもの、もしくは1/2以下の過小発現のメッセージを抽出した。1個体で各々200前後の過剰もしくは過小遺伝子が見いだされた。5対全てに共通する過剰発現遺伝子は36個、全てに共通して過小発現遺伝子は23個見つかった。現在、見いだされた遺伝子が本当にサンプル中で過剰、もしくは過小発現しているかどうかをquantitative RT-PCRにてconfirmationしている最中である。 同時に、遺伝子発現解析ソフトであるGene SpringTMにてクラスター分析を依頼中である。
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