研究課題/領域番号 |
14770930
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
三枝 英人 日本医科大学, 医学部, 助手 (70287712)
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研究分担者 |
粉川 隆行 日本医科大学, 医学部, 助手 (90318494)
愛野 威一郎 日本医科大学, 医学部, 助手 (60339356)
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キーワード | 横舌筋 / 上咽頭収縮筋 / オトガイ舌筋 / 舌神経 / 構音障害 / 嚥下障害 |
研究概要 |
(機能解剖学的研究) 解剖検体から得られたヒト成人舌及びその周囲組織に対する顕微鏡下のセミマクロ解剖及び、大切片標本による観察を行った。その結果、舌内の筋紡錘の分布が舌根付近で、ほぼ同じ高さに横舌筋とオトガイ舌筋に集中して存在すること(筋紡錘は、他の舌筋には観察されなかった)、横舌筋と上咽頭収縮筋の舌咽頭部の線維が太い筋繊維で連続していることが確認された。このことは、上咽頭収縮筋の横舌筋と連続した線維が、舌前方運動に関与し、また抗重力的な活動をすることが知られているオトガイ筋と拮抗的な関係を有していることを示すものと考えられた。また、舌神経の線維解析の結果からは、従来まで運動線維を含まないとされていた舌神経内に運動性線維が含まれ、内舌筋の一部を支配していることが明らかになった。 (機能生理学的研究) 上記で得られた横舌筋と上咽頭収縮筋、更にはオトガイ舌筋との関係について筋電図、X線透視画像、内視鏡画像、音響分析を駆使して解析を行なった。その結果、オトガイ舌筋と上咽頭収縮筋の横舌筋と連続した線維とが舌前後運動という互いに拮抗的な働きを担うこと、しかし、構音というヒト独自の運動機能においては相補的に働き合うという事を確認し得た。また、臨床的にも舌運動障害を中心とする運動性構音障害の症例の経験を積み重ねることで、嚥下障害に対する機能訓練が運動性構音障害に対して有効である場合があるなど、舌運動障害に関連した重要な情報が得られた。
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