• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2002 年度 実績報告書

口腔・中咽頭癌治療後の嚥下障害の研究

研究課題

研究課題/領域番号 14770938
研究機関名古屋大学

研究代表者

藤本 保志  名古屋大学, 医学部附属病院, 助手 (40344337)

キーワード嚥下機能改善手術 / 嚥下圧測定 / 中咽頭癌 / 口腔癌 / 嚥下造影検査
研究概要

嚥下機能改善手術施行例の検討
嚥下圧形成不全が予測される症例に対する輪状咽頭筋切、喉頭挙上術の効果を判定するため、1992年から2002年までに愛知県がんセンター頭頸部外科にて嚥下機能改善手術を追加した広範囲口腔中咽頭切除・即時再建症例86例を対象に経口摂取獲得までの期間や合併症について調査した。その結果、76.7%の患者は経口摂取において自立した。術後感染、下顎骨区域切除、60歳以上、50Gy以上の放射線治療の既往、などが経口摂取を有意に遅らせる危険因子であるとわかった。
嚥下圧検査の結果と考察
正常成人4名に対して嚥下圧測定を行い、息こらえ嚥下と努力嚥下を施行した。息こらえ嚥下、努力嚥下いずれも嚥下運動開始前に食道入口部圧の上昇が認められたが嚥下運動開始後に陰圧となったのちに再び強い陽圧となった。1例では努力嚥下によりかえって誤嚥を誘発し、測定不能となった。
中咽頭癌切除後2症例に対し嚥下圧検査を施行した。術後症例では左右差を解析した。いずれも中咽頭圧、下咽頭圧ともに正常例よりも嚥下圧は有意に低かった。食道入口部圧は輪状咽頭筋切除施行側では安静時の陽圧が観察されず、健側では観察された。一側の輪状咽頭筋切除においては食道入部圧の左右差を生じているものと推察された。また、中咽頭圧、下咽頭圧の低下にもかかわらず透視上誤嚥を認めなかったことから、嚥下機能を補助できていることを裏付ける結果となった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Fujimoto Y.Hasegawa Y., Nakashima T.: "Larynx-preserving Procedure in the Surgical Treatment of Head and Neck Cancer"11th Annual Dysphagia Research Society Meeting. 229 (2002)

  • [文献書誌] Nakayama B., Hyodo I., Hasegawa Y., Fujimoto Y., et al.: "Role of the anterolateral thigh flap in head and neck reconstruction : Its moderate skin thickness make it ideal"J Reconstr Microsurg. 18(3). 141-146 (2002)

  • [文献書誌] 藤本保志, 中島務, 長谷川泰久: "頭頸部癌手術後嚥下障害の予防と対応"JOHNS. 19. 445-450 (2003)

  • [文献書誌] 藤本保志, 長谷川泰久: "上顎スイング法-顔面深部へのアプローチ-"頭頸部腫瘍. 28(3). 587-592 (2002)

  • [文献書誌] 藤本保志: "緩和医療における嚥下障害への対応"がん看護. 7(5). 379-382 (2002)

  • [文献書誌] 藤本保志, 長谷川泰久: "耳鼻咽喉科診療プラクティス 7.嚥下障害を治す"湯本英二. 239 (2002)

URL: 

公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi