1)C57BL6マウス(メス、7週齢、telogen)を用いて、マウス背部をwax脱毛を施行し、anagenを誘導した状態で、IL6 2μgをマウス背部皮下に5日間投与した。IL6は、Gentacin注射液(Schering-Plough)に溶解した。また、コントロールとしてGentacin注射液のみを5日間投与した。同様に、マウス背部をwax脱毛を施行したのち、組織培養を施行し、培養液にIL6 2μgを5日間投与群と、コントロールとしてGentacin注射液のみを5日間投与した群、なにも添加しない群をつくり、観察した。肉眼的にはwaX脱毛によりこれまでの報告と同様背部皮膚色は、1週間から10日目でピンクから黒色へと変化し、anagenが誘導されたが、培養組織では、肉眼的な色調の変化ははっきりと確認できなかった。また、肉眼的には、IL6投与とコントロールで明らかな差は、背部投与群、培養群ともに見られなかったが、組織のHE染色では毛嚢の伸長拡大が、とくに背部IL6投与群でコントロールとの差が明らかであった。 2)telogenで背部wax脱毛をしない皮下投与群でも同様に、IL6を5日間投与するとHE染色で毛嚢拡大は見られたが、毛周期はanagenに移行しなかった。 3)anagenで背部脱毛をしない群でIL6を5日間投与すると毛嚢への影響は、経時的に観察すると7日目から10日目ごろ強く影響し、以後その影響は弱くなり、毛嚢の大きさは、21日目ごろにはコントロールと近くなってくることが、わかった。 4)現在さらに、telogen、anagen IL6背部投与により誘導されてくるサイトカインをRT-PCR法にて解析している。
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