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2002 年度 実績報告書

軟骨形成不全症の原因遺伝子(EVC)による軟骨細胞の増殖・分化制御機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 14771002
研究機関岡山大学

研究代表者

辻 岳人  岡山大学, 農学部, 助手 (90314682)

キーワード軟骨細胞 / Ellis-van Creveld
研究概要

Ellis-van Creveld症候群は四肢短縮小人症であり、その原因遺伝子であるEVC遺伝子は軟骨細胞の増殖と分化に重要であると考えられているが、これまでに軟骨組織での発現様式や機能は明らかにされていない。本年度はEVC遺伝子と軟骨細胞との関連性を明らかにするために、ラット脛骨の成長板軟骨におけるEVCmRNAとタンパクの発現様式について解析を行った。さらにEVCとの関連性が推測される因子として、軟骨細胞の増殖と分化の制御に重要な因子であるIHHの発現様式との比較を行った。
まず、ラット脛骨におけるEVC遺伝子の発現をRT-PCR法により調べた結果、発現量は胎生期が最も多く、週齢を増すにしたがい減少することが確認された。次に、ラットEVC組み換えタンパクを抗原として作製した抗体をもちいて、免疫組織化学的に脛骨成長板軟骨におけるEVCタンパクの局在を調べた。その結果、胎生期においては成熟層から肥大層の軟骨細胞に強い陽性反応が認められ、生後個体においても成熟層から肥大層の軟骨細胞に限局していることが認められた。また、EVCmRNAの発現についてin situ hybridization法による結果から、成熟層から肥大層の軟骨細胞に強く発現していることが認められ、EVCの遺伝子発現とタンパク局在は一致していた。このことから、EVC遺伝子が成熟層から肥大層の軟骨細胞において主に機能していることが明らかになった。また、EVCタンパクとIHHタンパクの局在は、すべての週齢の成長板軟骨において一致していることが認められ、EVCがIHHによる軟骨細胞の増殖、分化を制御するシグナル経路と関連している可能性が考えられた。以上の結果より、EVC遺伝子は軟骨内骨化の過程において成熟層から肥大層の軟骨細胞で作用する重要な因子であることが明らかとなった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Nakamura, H., Tsuji, T., Hirata, A., Yamamoto, T: "Localization of Osteoprotegerin(OPG)on Bone Surfaces and Cement Lines in Rat Tibia"J.Histochem.Cytochem.. 50(7). 945-953 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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