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2003 年度 実績報告書

ヒト歯牙形成を誘導するGrowth Factorの同定、解析

研究課題

研究課題/領域番号 14771005
研究機関佐賀大学(医学部)

研究代表者

山下 佳雄  佐賀大学, 医学部, 講師 (50322300)

キーワード歯 / 再生 / Growth Factor / 免疫不全マウス
研究概要

我々はヒト歯牙再生医療を念頭においた基礎研究を進めている。歯の高次な形態を再生するには複雑に絡み合った分子間のネットワークを一つずつ解明していく必要がある。我々は独自に開発した実験システムを用いることで、特に歯牙の形態形成を誘導調整しているGrowth Factorの同定、解析を行っているが、平成15年度の研究期間に新たな知見を得たので報告する。
我々は、免疫不全マウス(NOD/scid)にヒト幼若歯牙を皮下移植することにより、ヒトの歯牙形成をより生体に近い状態で再現できる実験システムを確立した。この実験系を活用し、歯牙の発育様式にIGF (insulin-like growth factor)、bFGF (Fibroblast growth factor-basic)などの既知のGrowth Factorが、いかなる影響を及ぼしているかを組織学的に検索してきた。この実験系の利点は人体に影響を及ぼすことなく生化学的あるいは分子遺伝学的アプローチで実験解析できることにある。
現在までにIGF-1やbFGFの作用により、歯硬組織の産生が箸しく促進されることが我々のin vivoの実験系で確認された。しかしながらその作用機序、ならびに作用する時期はIGF-1やbFGFといったGrowth factor一つ一つにおいて、必ずしも同じではなく非常にデリケートな反応であることが判明しつつある(現在、論文を作成中である)。そこで、我々はこの歯牙構築に関与するこれらGrowth factorの細胞内で引き起こすシグナル伝達のメカニズムに関して解析を始めた。つまり従来知られている伝達系にてこれらGrowth factorのシグナルが核内へ伝わっているのかを解析することである。このことは将来的に、臨床疾患との関わり合いを知る上で非常に重要であると考える。また解析を進めていくうえで、未知の伝達系の発見につながるかもしれない。
IGF-1やbFGF以外の分子に関しても現在、さらなる検討を進めている。これは効率よく歯の再生を行うために必要な情報でもある。なぜなら、たとえ歯が再生できても生体内のように何年もかかるようでは臨床応用は難しいからである。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Yamashita. Y.: "Histological analysis of human tooth development in NOD/scid mice."Calcif Tissue Int.. 71・4. 344-348 (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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