本研究は唾液腺細胞にgap junction構成タンパク質であるconnexinやtight junction構成タンパク質であるcaludinやocculdinに対してantisenseを作用させた際の変化を検討することを目的としている。平成15年度にはラット耳下腺腺房細胞由来細胞であるPC10細胞にgap junction構成タンパク質であるconnexin32のantisenseを作用させた際のtight junction構成タンパク質の変化を検討した。 その結果、connexin32、をantisenseでblock後にtight junction構成タンパク質であるclaudinやoccludinの発現が対照群と比較して高いことが明かとなった。特にclaudin1と5に高い傾向が認められた。一方、Z0-1では変化は認められなかった。またblock後にイソプロテレノールで刺激を行ったところ、トリパンブルー染色にて死細胞が増える傾向があった。これらの結果と前年度までの結果より唾液腺においてgap junction構成タンパク質であるconnexin32は1)細胞増殖、2)tight junction構成タンパク質のうちclaudin-1と5の発現への関与、3)細胞死の抑制、に関与していることが考えられた。現在、3)の細胞死がアポトーシスであるか否かをTUNEL法やフローサイトメトリーを用いて検討中である。来年度はtight junction構成タンパク質に対してantisenseを導入した際のgap junction構成タンパク質の変化を検索する予定である。
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