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2003 年度 実績報告書

骨芽細胞成熟における転写因子NF-κBを介した遺伝子制御に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 14771017
研究機関北海道大学

研究代表者

出山 義昭  北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助教授 (80271667)

キーワード骨芽細胞 / 成熟 / 転写因子 / NF-κB / 遺伝子発現制御
研究概要

転写因子NF-κBは種々の細胞における遺伝子発現を制御していることが知られている。本研究はこのNF-κBが骨芽細胞のどの遺伝子の発現を制御し、その結果として骨芽細胞の成熟に対してどのように関与するのかを明らかにするために実施した。
骨芽細胞の核蛋白質はκB配列に対する結合活性を示した。また、その活性は骨芽細胞が成熟するに従って減少した。さらに、核蛋白質中のκB配列に結合する蛋白質について調べると、NF-κB構成成分のうちp50、p65、c-RelおよびRelBであることが明らかになった。骨芽細胞成熟過程におけるこれらの発現の変動について検討すると、p65、c-RelおよびRelBは細胞培養開始とともにそれらの発現量が増加するが、骨芽細胞の分化マーカーであるアルカリ性ホスファターゼ活性が上昇し始める時期をピークとしてその発現は低下した。一方、p50は細胞播種直後から骨芽細胞成熟に伴って、その発現は低下した。これらの結果は、p50が骨芽細胞成熟に過程におけるNF-κB活性の低下に深く関与している可能性を示唆するものである。
一方、p50の発現低下による、NF-κB活性の低下が如何なる遺伝子の発現に影響を与えているかを調べるためにp50のアンチセンスオリゴヌクレオチドを骨芽細胞に遺伝子導入し、遺伝子発現の変化を検討した。その結果、骨芽細胞におけるインターロイキン-6(IL-6)mRNAの発現の増加が認められた。さらに骨芽細胞成熟過程におけるIL-6産生量を調べると成熟に伴って産生量の増加が明らかになった。
以上の結果より、p50の発現低下によるNF-κB活性の低下によってIL-6産生量が増加し、骨芽細胞が成熟していくものと推測された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Yoshiaki Deyama: "Histamine Stimulates Production of Osteoclast Differentiation Factor/Receptor Activator of Nuclear Factor-κB Ligand by Osteoblasts."Biochemical and Biophysical Resaerch Communications. 298・2. 240-246 (2002)

  • [文献書誌] Yoshiaki Deyama: "The effects of histamine on cyclooxygenase-2 induction in osteoblastic MC3T3-E1 cells"Dentistry in Japan. 39. 40-42 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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