研究概要 |
Streptococcus intermedius antigen I/II遺伝子欠損株の作製を試み,相同組換えの生じた変異株をサザンハイブリダイゼーション法で検討した。その結果,制限酵素消化パターンが異なる変異株が得られた。現在,得られた変異株でantigen I/IIのタンパク質発現がみられないことを確認しているところである。 ミュータンスレンサ球菌の一員であるS.cricetusのantigen I/II (paaA)遺伝子周辺域の遺伝子解析を行ったところ,挿入配列ISScr1が挿入しているantigen I/II遺伝子(paaB)を同定した。 Toll-like receptor (TLR)の遺伝子情報はラットではTLR2とTLR4の2つだけがデータベースに登録されており,TLR2-4の発現解析のためにラットのTLR3の情報が必要になった。そこで,ヒトTLR3の塩基配列を基にRT-PCRを行い,TLR3のcDNA配列を一部決定した。全長については塩基配列を決定しているところである。 次に,ラットの血管内皮細胞とヒトの血管内皮細胞HUV-ECを用いてTLR2-4までRT-PCR を用いて検討したが,S.mutans感染群と対照群との間に明瞭な差は認められなかった。しかしながら,全く応答がみられないのか,実験系に問題がないかどうか実験条件をさらに検討する必要があると考えられた。 S.mutansのantigen I/II発現株MT8148とantigen I/II欠損株EM3をヒト血管内皮細胞HUV-ECに感染させたのち,ライセートをSDS-PAGEを用い発現プロファイルを検討した。しかしながら明瞭に発現の差のある分子はこれまでのところ同定に到っていない。
|