研究概要 |
Dynamic-MRIは造影MRI検査において,造影効果を経時的に連続して観察する検査法である。Dynamic-MRIで観察できる造影効果は腫瘍内の血流動体と関係している。腫瘍内血管新生と腫瘍増殖とは密接に関係している。そこで、昨年度は口腔扁平上皮癌におけるDynamic-MRIパラメータと増殖腫瘍細胞核抗原(proliferating cell nuclear antigen(PCNA))で評価した腫瘍増殖能との相関について調査した。その結果、強い正の相関が示され、まとめた内容をOral Oncologyに投稿し、今年度掲載された(2003 Apr;39(3):290-5)。今年度も症例を増やして引き続き調査した。 さらに、今年度はほかの口腔癌についての特徴も調査した。なかでも、扁平上皮癌と悪性リンパ腫についてのDynamic-MRIパラメータの特徴の違いについて調査し、第22回日本画像医学会および14th International Congress of Dentomaxilofacial Radiology (2003年5月19〜23日、Florianopilis、Brasil)で発表した。また、その内容をまとめて、European Journal of Radiologyに投稿した(2003 Nov;48(2):183-7)。 また、口腔癌の予後と密接にかかわる頚部リンパ節への転移の有無についてもDynamic-MRIで評価できるか調査を行った。手術材料から得たリンパ節の転移の有無については、本年度購入の光学顕微鏡下で評価した。転移リンパ節のDynamic-MRIの特徴として、原発層のDynamic-MRIと近似する傾向をつかんでいるが、症例が少ないため引き続き調査をした上で発表する予定である。
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