平成14年度は頸部リンパ節転移モデルの作成、超音波によるリンパ節腫脹の確認および摘出リンパ節のin vitro MRIの撮像を手がけた。 白色ウサギにVX2腫瘍細胞を口底部に移植し、頸部にリンパ節転移を試みた。頸部リンパ節は、約一週間に一回の割合で超音波B-modeおよびPower Dopper modeにてリンパ節腫大を確認した。B-modeでの短径の変化およびPower Doppler modeでの血流の状態より転移の状態を確認した。摘出切片との対応より転移リンパ節では血流が一過性に増大し、その後壊死巣が生じると無信号の領域として描出されることが解った。 一方、直径11cmの容器に水を満たした中に、摘出リンパ節を固定しin vitro MRIの撮像をした。当初はSE法のT1-WIおよびT2-WIを撮影したが、腫瘍巣と正常リンパ組織との間に明らかな信号強度差を認めなかった。 そこでそもそも超音波ドップラ法により捉えられた血流がいかほどの太さおよび血流速であるのかを寒天ファントムで解明した。その結果、径にして0.1mm弱、流速にして5-10mm/s程度であることが解った。すなわち細動脈および細静脈までの血流が描出されることが解明された。すなわちもっと末梢での循環(灌流)、さらには拡散情報を画像化すると腫瘍巣と正常組織との差がでるのではないかと考え、現在拡散強調画像の作成に取り組んでおり、両者のコントラストの差が認識されるようになりつつある。 15年度は、パラメーターの最適化に取り組み、良好なADC mapを作成する。
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