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2002 年度 実績報告書

シリカーフッ素化合物を利用した象牙質コラーゲン固定による象牙質齲蝕予防効果

研究課題

研究課題/領域番号 14771054
研究機関徳島大学

研究代表者

川崎 有希子  徳島大学, 歯学部, 助手 (60294708)

キーワード象牙質 / 象牙質齲蝕 / フッ化ジアミンシリケート / フッ化ジアンミン銀 / サホライド / 脱灰 / 表面粗さ測定器
研究概要

象牙質はエナメル質と比較して有機質の含有率が多く、したがって、象牙質齲蝕進行抑制においては無機質の脱灰抑制とコラーゲンなどの有機質の崩壊抑制の両面からのアプローチが要求される。現在、臨床において多用されているフッ化ジアンミン銀(サホライド)はその両方の効果を有してはいるが、歯質の変色が起こることから永久歯においての使用は制限されてきた。そこで申請者はシリカのコラーゲン固定効果に着目し、フッ化ジアンミン銀の銀をシリカに置換したフッ化ジアミンシリケートを調製した。本研究ではまず、フッ化ジアミンシリケートの無機質脱灰抑制効果をフッ化ジアンミン銀などのフッ化物と比較検討を行った。牛前歯唇面を鏡面研磨を行った後に、パラフィンワックスを用いて研磨面をいくつかの小部分に分割し、フッ化ジアミンシリケートなどのフッ素処理を行うフッ素処理群と非処理群とに分けて処理後、脱灰溶液中にて24時間脱灰を行った。脱灰深度を表面粗さ測定器にて測定した結果、非処理群の脱灰深度は35.1±5.0μmでこの値を100%として百分率で表すと、フッ化ジアミンシリケート処理後の脱灰深度は85.2±4.6で非処理群と比較して有意に低い値であった。さらにその値は、同濃度のフッ化ナトリウム(95.5±5.1)や酸性リン酸フッ素溶液(93.6±7.0)と比較しても低い値を示した。フッ化ジアンミン銀は75.5±4.6であり、4種のフッ化物の中では象牙質脱灰抑制効果が一番優れていた。本研究の結果、フッ化ジアミンシリケートはフッ化ジアンミン銀と同等の象牙質無機質脱灰抑制効果を有していることが明らかとなった。本処理法は歯質を変色させない点からも象牙質齲蝕抑制剤としての有用性が示唆された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] T.SUGE et al.: "Calcium phosphate precipitation method for the treatment of dentin hypersensitivity"AMERICAN JOURNAL OF DENTISTRY. 15・4. 220-226 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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