研究概要 |
現在、軟組織へのレーザ応用は、蒸散、止血、滅菌などの用途に合わせ選択している。試作レーザ発振装置は一定の範囲において波長の可変、および2波長域のレーザが照射可能である.研究では、軟組織切開に適した主波長と副波長を組み合わせた条件で、止血効果や創傷治癒について検討する。 2波長発振レーザーは励起波長として1.06μmを用い,オプティカルパラメトリック発振器により1.6から4.0μmの波長を得るが,2.1μmを境に長波長,短波長のレーザー光を同時に発生する. 平成14年度は、単一波長での照射条件の検討とし、(1)初期の実験では長波長,短波長域に発生する一方の光をフィルターによりカットする.そこで広帯域レーザーパワーメータ(レーザーパワーメーター:LASERSTAR,ディテクター:L30A-SH・オフィール社製)を用いて安定した可変波長の出力を得ることを確認する.(2)波長の吸収特性の検討(3)出力、パルスレート、パルス幅の検討を予定した。しかし、当初予定していた可変波長の十分な出力を得るのに時間を要していた為、本年度は、波長2.94μmレーザ光を用いた。Excimerレーザ照射により、生体に影響を及ぼす活性酸素の発生が報告されている為、組織切開に適する長波長のレーザーを照射した場合に、活性酸素の発生がみられるか、ペントース分解法を用いフーリエ変換赤外分光光度計(FT/IR-430:日本分光社製)により、試料の赤外線吸光スペクトルを解析した。同様に照射時間との関係をTBA法により検討した。
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