研究概要 |
日本人における実用色彩調和論『Blue base Yellow base color system^<(R)>』の有効性の検討 (日本色彩学会第33回全国大会にて口演発表) パーソナルカラー分析や色彩計画のための実用的なカラーファンとして,現在様々な製品が存在するが,米国のRobert door氏により1928年に開発された実用色彩調和論「Blue Base/Yellow Base color system^<【○!R】>」はアメリカおよび日本の市場に導入・活用されて以来,かなりの成果を挙げている。本研究では,米国RENAE KNAPP school of color認定マスターカラープロデューサー^<TM>高松智子氏の判定による被験者のベースカラーの分析,分光測色計での肌色の測色を行い,この理論による分析方法の有効性を検討した。 その結果,カラー・パーソナリティ・テストおよび肌測色値などのデータと相関が認められ,本分析法の有意性が示された。しかし,Blueの要素が80%未満の被験者については,カラー・パーソナリティ・テストの結果がYellowの要素が強かったにもかかわらず,判定者が毛髪色・顔面色(特に頬部の血色)などの色素を考慮した結果,主観的にBlue Baseと判定されたケースが多かった事より,色彩学的訓練が十分になされ,かつ本実用色彩調和論に基づき青と黄色の色素の物理的比重を見極めることが出来る人間でなければベースカラー判定は困難であるという結論に至った。 今後は,「ムーン・スペンサーの色彩調和論」と「ジャッドの原理」などの理論が,顔貌の色彩調和感を説明できるか否かを検討する。また,非接触分光測色器により改めて顔面各部の測色を行い,画像シミュレーションを用いた評価実験を行う予定である。
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