研究概要 |
ラット副腎髄質褐色細胞腫由来のPC12細胞を,9.5cm^2コラーゲンコートディッシュに1×10^3cells/cm^2と1×10^4cells/cm^2で,10%ウマ血清と5%ウシ胎児血清含有RPMI1640培地2mlを用いて培養した。加振に先立ち0.1ng/ml,1ng/ml,10ng/ml,50ng/ml濃度のNGFを用いて,細胞の分化誘導を観察した結果,50ng/ml NGF以外では,分化誘導がかかりにくく,特に1×10^4cells/cm^2では,増殖しすぎて細胞の形態観察も困難なため,加振は1×10^3cells/cm^2で,50ng/ml NGF濃度で行うこととした。 ディッシュ培養開始後1日目にNGFを添加し,加振を開始した。加振には,振動試験制御装置9920・ミニアンプAME50/100・マイクロ加振機MEE35(Akashi)を使用した。水を除いた5%CO_2インキュベーター内に加振機を設置し,振動台に培養ディッシュを両面テープで固定した。加速度0.05Gで,25Hz,50Hz,75Hz,100Hz,200Hz,300Hz,400Hzの振動を,個別に,1日1回60分負荷群と1日2回(60分×2)負荷群に分け,4日間負荷し,培養7日目にパラホルムアルデヒド溶液で固定後,神経突起促進率を算出した。培養3日目の時点で,加振なしのコントロール群と比較して,加振群では細胞の肥大・扁平化を示すものが多かった。神経突起促進率は,コントロール群,1日1回負荷群,1日2回負荷群の順に高い値を示すものが多かった。
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