昨年度に引き続き、下顎右側第二小臼歯部および第二大臼歯部にIATインプラントを植立した金属原型を使用し、3種類の方法で印象採得を行い、作業用模型を作成、その寸法精度を比較検討した。また、この研究成果を第6回世界口腔インプラント学会議にて学会発表を行った。 使用したIATインプラントにはスクリューリテンドアバットメントを装着してあり、スクリユー固定のブリッジ形態の上部構造を製作することを想定している。印象採得にはトランスファーキャップを使用し、付加型シリコーン印象材を用いた。印象方法は以下の3通りである。 (1):通法に従い、トランスファーキャップをアバットメントに連結、開窓トレーにてレギュラータイプの印象材を用いて印象採得。(2):(1)と同様にアバットメントに連結した2本のトランスファーキャップをデンタルフロスで結紮し、更にそのデンタルフロスをパターン用即時重合レジンにて包埋、開窓トレーにてレギュラータイプの印象材を用いて印象採得。(3):(1)と同様にアバットメントを連結し、開窓トレーにてレギュラータイプよりも硬いレギュラーハードタイプの印象材を用いて印象採得。いずれの印象採得方法においても超硬石膏を使用して作業用模型を作成した。使用した金属原型の台座部には計測時に基準座標を設定するための基準となる標点が3点、付与されており、この台座を作業模型と共用することで同じ基準座標を使用することを可能としている。また、原型の残存歯の歯冠部には計測用の標点が付与されており、これらは作業用模型にも転記され、計測に使用する。インプラント部はアバットメントに付与されている六角形のうちの3つの角を標点として用いた。計測は非接触式三次元座標測定機を使用して行った。 さらに、インプラント専用印象材として販売されている印象材を使用して同様な印象採得、作業模型の製作を行い、データの収集をしている。
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