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2003 年度 実績報告書

新素材DNA/人工脂質複合体の機能を利用した抗菌性歯科材料の開発

研究課題

研究課題/領域番号 14771118
研究機関福岡歯科大学

研究代表者

竹内 尚子  福岡歯科大学, 歯学部, 助手 (50198800)

キーワードDNA / 人工脂質 / 抗菌性
研究概要

歯科医療分野においては、寝たきり老人を含め高齢者社会の急速な進行に伴って補綴物や義歯の需要が増加している。しかし、これらの装着物が口腔微生物の温床となりそこで異常に増加した微生物に起因する高齢者の嚥下性肺炎が深刻な問題となっている。従って補綴物や義歯が微生物の温床となることを避けるため、これらに抗菌性を付与させる研究が進められており、と同時に生体に安全で効果的な歯科材料の開発が望まれている。そこで近年、バイオナノテクノロジーの新素材として注目されているDNAの特性を利用して、DNA/人工脂質複合体を作成し、これに抗菌性を付与した歯科用新素材の開発を試みた。
平成14年度は、アルキル鎖の異なる脂肪族アルコールと必須アミノ酸を用いて合成した人工脂質とサケ精子由来のDNAを用いて10種のDNA/人工脂質複合体を作成した。これらはCDスペクトル分析からコンフォメーションの変化の有無や程度の確認、細胞毒性試験を行った。さらに院内感染および口腔疾患の原因となる細菌6種とカンジダ菌6種に対する抗菌性を調べた。その結果、グリシンあるいはアラニンを用いたC10およびC12のDNA/人工脂質複合体は、細菌6種とカンジダ菌6種に対しての抗菌性を示した。
平成15年度はDNA/人工脂質複合体を有機溶媒に溶解し、テフロン上でDNAフィルムを作製し、細胞毒性試験および4種の口腔細菌(う蝕および歯周病起因菌)に対する抗菌試験を行った。その結果、グリシン群のC10、C12、C14は4種の細菌に対して抗菌性を示した。アラニン群はC10、C12、C14、C16が4種の細菌に対して抗菌性を示した。また全てのDNAフィルムは、ラットの皮下組織において埋入3日後にはコントロールとの差はみられなかった。
今回開発した抗菌性を有するDNA/人工脂質複合体は、賦形性の面においても歯科材料および生体材料としての用途の拡大が可能と考えられる。また、DNAへの薬剤のインターカレーションやグルーブバインディングにより、ドラッグデリバリーシステム(DDS)における効果が期待される。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Y.Inoue, T.Fukushima, T.Hayakawa, H.Takeuchi etc: "Antibacterial characteristics of newly developed amphiphilic lipids and DNA-lipid complexes against bacteria"J Biomed mater Res.. (3)65A. 203-208 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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