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2003 年度 実績報告書

顎関節構成体のメカニカルストレスに対する細胞応答の遺伝子解析による解明

研究課題

研究課題/領域番号 14771120
研究機関秋田大学

研究代表者

永井 宏和  秋田大学, 医学部, 助手 (50282190)

キーワード顎関接 / ヒト滑膜細胞 / メカニカルストレス / 炎症性サイトカイン
研究概要

ヒト顎関接由来の滑膜細胞の特性
インフォームド・コンセントの十分得られた顎関節内障患者および顎関節突起骨折患者の手術時に採取した滑膜組織から滑膜細胞を分離,培養し,その表現型を免疫細胞化学的に検索した.継代培養が可能となった滑膜細胞は線維芽細胞様の形態をしたほぼ均一な細胞群であった.この細胞は線維芽細胞のマーカー(vimentin, prolyl-4-hydroxylase)を発現していたが,T細胞のマーカー(CD 4),B細胞のマーカー(CD 19),血管内皮細胞のマーカー(CD 31,von Willebrand factor)は発現しておらず,線維芽細胞様の性質を有していたが,一部の細胞がマクロファージのマーカータンパク質であるCD 68を発現しており,A型細胞とB型細胞の中間型の細胞が混在しているものと考えられた.さらに滑膜表層B型細胞のマーカーであるlamininおよびHsp27の抗体を用いて免疫細胞化学染色を行ったところ,この細胞はlamininおよびHsp27の両者を発現しており,滑膜表層B型細胞に近い細胞であることが示唆された.
ヒト顎関接由来の滑膜細胞のメカニカルストレスに対する細胞応答の解析
分離,培養した滑膜細胞に伸展ストレスを0.5,1,3,6,12.時間加えた後に,total RNAを回収してRT-PCRに供し,iNOSおよび炎症性サイトカインの遺伝子発現について検索を行った.滑膜細胞に伸展ストレスを加えると,iNOS, IL-1β,TNF-α,IL-6,IL-8の発現が増加した.TNF-αは伸展刺激前には検出できなかったが,刺激後早期(30分)にその発現が最大となった.IL-1βは徐々に増加して12時間で約8倍となり,IL-6,IL-8,iNOSは3時間〜6時間で最大となり,その後減少していった.これらの結果から,メカニカルストレスは滑膜細胞にiNOSおよび炎症性サイトカイン(IL-1β,TNF-α,IL-6,IL-8)の遺伝子発現を誘導することが明らかとなり、これらのメカニカルストレスに応答して滑膜細胞から産生された炎症性メディエーターが複合的に作用して顎関節症の発症および病態形成に関与している可能性が示唆された.

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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