研究概要 |
BMPを産生する骨膜由来の培養細胞を用いて,顎骨再建をすることを目的に,以下の研究を行っている.本研究で,顎骨の欠損状態や移植条件を詳細に検討し,本法施行時の至適条件を見出すことが出来れば,将来的にヒトへの応用も可能と考える. 体重2〜2.5kgの家兎から,下顎骨や長管骨の骨膜を無菌的に採取し,血清を添加したα-MEN培養液中で単層培養し,feeder layer上で細胞シートを作る.これらの培養骨膜細胞シートを以下の実験群に適用し,欠損部分を被覆する. (a)下顎骨を骨膜を含め辺縁切除した欠損部. (b)下顎骨区域切除部に自家肋骨を移植した接合部 (c)下顎骨区域切除部をプレートで再建した欠損部 骨膜細胞の移植後1,3,6,12ヶ月後に骨量の経時的変化をDEXA(dual energy X-ray absorption-metry)により測定し,同じにX線写真の撮影も行う.また家兎から摘出し包理したブロックをpQCT(peripheral Quantitative Computed Tomography)を用い,海綿骨,皮質骨の骨量の変化を測定すると共に,組織学的検索も行う.これらのことから人為的に作製した家兎の顎骨欠損部および移植骨片間への培養骨膜細胞の移植の比較や,移植条件を検討している.今後は,骨膜部への局所投与によりin vivoで骨形成を促進することが知られているTGF-βの併用効果についても検討する予定である.
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