ヒト顔面頭蓋骨CTデータを画像処理し、三次元CADソフトで三次元ソリッドモデルを完成させた。 人工顎関節は、Temporal partsとMandibular partsからなる三次元ソリッドモデルを完成させた。 2.有限要素法モデル CADモデルを要素分割し、三次元有限要素モデルを作成した。 3.材料定数 それぞれの材料に対し、過去の報告をもとに弾性係数とポアソン比を設定した。 4.拘束および荷重条件 頭蓋骨の固定と、下顎の側方移動を制限するように拘束した。 荷重は、後上方へ45°の角度で50Nを設定した。 5.解析方法 解析は線形静解析にて行った。評価は、von Misesの相当応力にて行った。 結果 骨について 頬骨弓は側頭骨頬骨突起基部で荷重負担しており、ネジ止め部周囲は前方部ほど応力集中が顕著であった。下顎骨は反時計回りに僅かに回転し、ネジ止め部周囲は応力集中を認めた。 人工顎関節について Fossa layerは後方部に応力集中を認めた。Disc layerではシャフトの前面で引張応力、後面で圧縮応力の集中を認めた。Condyle layerでは、内面のネジ穴周囲に応力の集中を認めた。ネジは骨との間隙部で応力集中が認められた。本解析における最大von Mises応力はCo-Crが218.4MPa(500MPa)、Titaniumが31.7MPa(825MPa)、高分子ポリエチレンが11.5MPa(20MPa)、骨が4.7MPa(68.4Mpa)であった《()内は降伏応力》。このことから本解析における人工顎関節の設計は妥当であると考えられた。 このことから本解析における人工顎関節の設計は妥当であると考えられたが、ネジ止め部分に応力の集中を認めたため、今後若干のデザインの変更を行う予定である。
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