研究概要 |
平成14年度は,平成14年5月より翌15年1月までに乳幼児歯科保健事業に参加した小児を対象に解析した結果を報告する。全対象者150名のうち,健全歯のみの小児は69名(男児39名,女児30名,1歳児51名,2歳児18名)であり,COを有する小児は81名(男児41名,女児40名,1歳児29名,2歳児36名,3歳児16名)であった。カリオスタットによる酸産生能については,健全歯のみの小児では(-)が44.9%,(1+)が50.7%,(2+)が4.4%で,COを有する小児では(-)が38.3%,(1+)が48.1%,(2+)が13.6%であり,特に(2+)と判定された場合はう蝕のリスクファクターとなる可能性が示された。また間食の摂取頻度については健全歯のみの小児では55.1%が時間を決めて与えられていたのに対し,COを有する小児では51.3%であり,反対に欲しがる時に与えられていたのは,健全歯のみの小児では43.5%,COを有する小児では48.7%(不明1名を除く)であり,健全歯のみの小児で,やや良好な間食摂取頻度で与えられていた割合が高かった。さらに与えられている間食の種類については,健全歯のみの小児では3種類(36.2%)が最も多く,次いで2種類(27.5%),4種類(17.4%)の順であった。COを有する小児でも,3種類(30.9%)が最も多く,2種類(27.2%),4種類(16.0%)の順で両者は同様の結果となっていた。 今後は例数を増やし,食生活環境について兄弟姉妹や家族構成などとの関連性も含めて解析を,またカリオスタットについてリスク改善群,悪化群の詳細な解析を行いたいと考えている。
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