新潟県某町の中学1年生115名を対象として、生徒期の生活習慣や身体的健康度指標である体脂肪率および骨密度と口腔内状況との関連性を、コホート調査の初年度として検討した。 骨密度(以下、SOS値)の平均値は、男子で1561m/sec、女子で1587m/secであった。体脂肪率とSOS値との相関性は高いとはいえず、両者を身体的健康度指標として用いた。 口腔内状況については、一人平均DF歯数が、男子で2.8本、女子で2.4本であった。 アンケート調査の結果から、ほとんど毎日間食をする者は、男子で31%、女子で47%であった。1日の歯磨き回数が3回以上の者の割合は、男子で15%、女子で26%であった。現在、運動部に所属している者は、男子で高い割合を占めた。これまでの骨折経験が「あり」の者のうち、骨折の時期については、男女ともに半数以上が「小学校4年生以降」であった。 口腔内状況と身体的健康度指標、生活習慣との関連性を検討した結果、男子では、体脂肪率の高い群において低い群に比べて、要観察歯が存在する者の割合が有意に多かった。この結果の背景として、歯みがき時間が2分以内の者や間食頻度の多い群で体脂肪率が高い傾向があることが考えられ、今後の要観察歯の推移や生活習慣との関連性について探究していく必要性が示唆された。また、男子では就寝時刻が11時以降の群において11時前の群と比較してDF歯数が3本以上の者が多かった。女子では、間食頻度の多い群で少ない群と比較してDF歯数が3本以上の者が有意に多かった。 来年度以降も同一集団を対象として、口腔診査、体脂肪率・骨密度測定、アンケート調査を実施し、口腔内状況と生活習慣および身体的健康度の変化と、それぞれの関連性について検討していく。
|