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2002 年度 実績報告書

乳歯の歯根吸収異常に関わるサイトカインと破歯細胞に対する調節機構

研究課題

研究課題/領域番号 14771214
研究機関福岡歯科大学

研究代表者

高田 圭介  福岡歯科大学, 歯学部, 助手 (90299595)

キーワードヒト破歯細胞 / カルシトニンレセプター / 歯根吸収
研究概要

今回、歯根の異常吸収に関わるサイトカインの破歯細胞に対する調節機構を検討する意味で、ウサギの歯に吸収異常を人為的に引き起こし、炎症性骨破壊にみられるような既知のIL-1やIL-6について免疫組織化学染色を行い発現部位の特定を行う予定であったが、従来から行っているヒト破歯細胞の細胞分離技術が機能解析を行うのに十分な細胞数を確保することができるようになったため、実験にはウサギを用いず、ヒト抜去歯から摂取した破歯細胞により実験を行った。これまでヒト破歯細胞の機能調節についての検討は1報あるのみで、形態的に類似するとされる破骨細胞の主要なマーカーであるカルシトニンレセプター(CTR)が発現していないという報告もある。このことから、まずCTRがヒト破歯細胞に発現しているか免疫染色を用いて検討したところ、ヒトCTRの存在が確認できた。さらに、mRNAの発現もRT-PCR法にて確認できた。また、分離した破歯細胞が吸収能をもち、カルシトニンによって硬組織吸収能が抑制されることを、リン酸カルシウムでコーティングした基質上で確認した。これらのことより、ヒト破歯細胞にCTRが存在し、カルシトニンにより抑制的に働くという破骨細胞と類似の調節機構をもつことが分かった。最近の報告に、ヒト破骨細胞のカルシトニンによる抑制は、細胞内のプロテインキナーゼ(PKC)が主に関与して起こることが報告されていることから、破歯細胞についても類似の抑制機序が存在するか検討したところ、PKCではなくプロテインキナーゼAがこの抑制に関わることを確認した。このことにより、ヒトの破歯細胞と破骨細胞は機能抑制に於いて異なる細胞内シグナル伝達機構を有する可能性を持つと考えられる。この結果は、種々サイトカインに対しても両細胞は異なる細胞内シグナル伝達機能が存在する可能性があり、歯根吸収に対するサイトカインの調節機構の解明に寄与できるものと考えられる。この結果は現在論文投稿中である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] H Fukushima, H Kajiya, K Takada, F Okamoto, K Okabe: "Expression and role of RANKL in periodontal ligament cells during physiological root-resorption in human deciduous teeth"European Journal of Oral Sciences. (in press).

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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