ヒトマラッセ上皮細胞およびヒト歯周靱帯線維芽細胞はインフォームドコンセントの下、矯正学的理由により抜歯したヒト小臼歯の歯根中央3分の1から酵素処理によって分離、培養したものを用いた。 第一にヒト歯肉上皮細胞を単独培養、ヒト歯肉線維芽細胞を単独培養、ヒト歯肉上皮細胞とヒト歯肉線維芽細胞を共培養し、エナメルタンパク質および骨関連タンパク質の遺伝子発現レベルをRT-PCR法を用いて調べた。osteopontin、osteocalcin、bone sialoprotein、bone morphogenetic protein(BMP)-2、BMP-4、amelogenin、tuftelinのmRNA発現はヒト歯肉上皮細胞とヒト歯肉線維芽細胞の共培養によって増加しなかった。 ヒトマラッセ上皮細胞の分離と静地培養には成功したが、機械的伸展を加えた培養条件下では研究で用いることのできるレベルまで十分に培養できなかった。 そこで、まずヒト歯周靱帯線維芽細胞において、2次元電気泳動によって得られるタンパク質発現像をデータベース化することを試みた。静地条件でヒト歯周靱帯線維芽細胞を培養し、総タンパク質を抽出し、二次元電気泳動を行った。得られた二次元電気泳動パターンをコンピューター上で画像処理し、各タンパク質スポットに1から2500まで番号を付与した。100のタンパク質スポットを選び、ゲルからタンパク質を抽出し、質量分析装置装置を用いてタンパク質を同定した。(タンパク質の同定は続行中であり、ヒト歯周靱帯線維芽細胞の2次元電気泳動によって得られるタンパク質スポットのデータベース化作業を行っている)
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