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2004 年度 実績報告書

ニッケル錯体を利用した触媒的二酸化炭素固定化反応の開発

研究課題

研究課題/領域番号 14771235
研究機関北海道大学

研究代表者

瀧本 真徳  北海道大学, 大学院・薬学研究科, 助手 (50312377)

キーワードニッケル / 二酸化炭素 / 炭酸ガス固定 / カルボキシル化 / ジエン / 環化反応 / 複素環 / アルキン
研究概要

本研究課題のもと、これまで開発を行ってきた環化を伴うビスジエン化合物への触媒的二酸化炭素固定化反応(環化-カルボキシル化反応)は非常に緩和な条件下、高い位置及び立体選択性で進行することから、有機合成化学上有用な反応となりうると考えられる。そこで、本課題の最終年度にあたる平成16年度は、更なる適用範囲の拡大を目指し、本反応を利用した二環式複素環化合物合成法の開発を検討した。またニッケル錯体による新たな触媒的二酸化炭素固定化反応として、二置換アルキンの触媒的カルボキシル化反応の開発にも成功した。以下にその概略を示す。
1.ビスジエンの環化-カルボキシル化反応を利用した二環式複素環化合物合成法の開発
L-ピログルタミン酸より合成可能な5員環ラクトン構造を有するビスジエン化合物に対し、ニッケル触媒存在下、ジメチル亜鉛及び二酸化炭素(1気圧)を作用させると、位置及び立体選択的に、メチル化を伴う環化-カルボキシル化反応が進行し、高度に置換・官能基化されたピロリチジン骨格を持つカルボン酸誘導体が光学活性体として得られた。また、ジエチル亜鉛を用いて同様の反応を行うと、エチル基ではなくヒドリドの付加を伴う、還元的環化-カルボキシル化反応が進行することを見出した。この還元的環化-カルボキシル化反応で得られた生成物は閉環メタセシス反応によって容易に三環式複素環化合物へと誘導可能であった。
2.二置換アルキンの触媒的カルボキシル化反応の開発
ニッケル触媒存在下種々の2置換アルキンを有機亜鉛試薬及び二酸化炭素(1気圧)と反応させると、アルキル化を伴うカルボキシル化反応が進行し、四置換アルケン構造を持つカルボン酸誘導体が高い収率で得られた。さらに本反応の置換基効果を詳細に検討し、四置換アルケンの位置及び立体選択的合成法の開発へ展開した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Nickel-Catalyzed Regioselective Synthesis of Tetrasubstituted Alkene Using Alkylative Carboxylation of Disubstituted Alkyne2005

    • 著者名/発表者名
      Kazuya Shimizu
    • 雑誌名

      Organic Letters 7・2

      ページ: 195-197

  • [雑誌論文] Nickel-Mediated Regio and Stereoselective Carboxylation of Trimethylsilylallene under an Atmosphere of Carbon Dioxide2004

    • 著者名/発表者名
      Masanori Takimoto
    • 雑誌名

      Synthesis 5号

      ページ: 791-795

  • [雑誌論文] Highly Enantioselective Catalytic Carbon Dioxide Incorporation Reaction : Nickel-Catalyzed Asymmetric Carboxylative Cyclization of Bis-1,3-Dienens2004

    • 著者名/発表者名
      Masanori Takimoto
    • 雑誌名

      Journal of the American Chemical Society 126・19

      ページ: 5956-5957

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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