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2003 年度 実績報告書

エーテル類のsp3C-H結合活性化反応の開発と天然物合成への活用

研究課題

研究課題/領域番号 14771255
研究機関明治薬科大学

研究代表者

好光 健彦  明治薬科大学, 薬学部, 講師 (30301576)

キーワードC-H官能基化 / ラジカル反応 / C-Hヒドロキシアルキル化 / 環状エーテル / 天然物合成 / 抗腫瘍活性 / (-)-ムリカタシン / (+)-ムニコン
研究概要

従来、有機フリーラジカルやカルベンあるいは超強酸によって行われてきた不活性な炭素-水素(C-H)結合の官能基化は、遷移金属の活用を背景に目覚ましく進展している。中でも、C-H結合活性化を起点とする炭素-炭素(C-C)結合形成は、有機分子構築の新手法をもたらすことから非常に重要視されている。我々は、ラジカル反応の活用を基盤とする有機合成化学的研究を進めてきたが、この過程で環状エーテル類のα-C-H結合を一工程でC-C結合に変える興味深い反応を見出した。すなわち、テトラヒドロフランのα-C-H結合のヒドロキシアルキル化反応である。本反応はC-H官能基化法としてはむしろ従来のラジカル手法に分類されはするが、遷移金属によるC-H活性化法に匹敵する簡便さを有し、しかも入手容易でバリエーションに富む原料から一挙に高度に官能基化された物質を合成できるという特徴を持つ。また、本反応は、これまで困難とされてきた炭素ラジカル種とカルボニル化合物の分子間付加の成功をも意味し、環状エーテル類のα位がヒドロキシアルキル基で置換された構造を持つ多くの生理活性天然物の合成における斬新な方法論をもたらす。
昨年度に引き続き、本平成15年度の研究では、有機合成の新領域を拓く可能性を秘めた上記C-H官能基化手法の開拓とともに、顕著な生理活性を持つ天然物の合成への活用を検討した。その結果、本手法を基盤とする抗腫瘍活性天然物(-)-ムリカタシンならびに(+)-ムコニンの合成を達成した。さらに、光照射によるヒドロキシアルキル化反応の開発にも成功した。以上の研究成果は、有機合成化学とラジカル化学の両分野において重要な新知見となる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Takehiko Yoshimitsu: "Total Synthesis of (+)-Muconin"J.Org.Chem.. 69. 1993-1998 (2004)

  • [文献書誌] Takehiko Yoshimitsu: "Synthesis of (-)-Muricatacin via α- and α'-C-H Bond Functionalization of Tetrahydrofuran"J.Org.Chem.. 68. 7548-7550 (2003)

  • [文献書誌] Takehiko Yoshimitsu: "Hydroxyalkylation of α-C-H Bonds of Tetrahydrofuran with Aldehydes in the Presence of Triethylborane and tert-Butyl Hydroperoxide"J.Org.Chem.. 68. 625-627 (2003)

  • [文献書誌] Takehiko Yoshimitsu: "New Method for the Synthesis of α-Substituted tetrahydrofuran-2-methanols through Diastereoselective Addition of THF to Aldehydes Mediated by Et_3B in the Presence of Air"Chem.Commun.. 1745-1746 (1999)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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