• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2003 年度 実績報告書

アンチモンに中心性キラリティーを有する新規二座型不斉配位子の合成とその応用

研究課題

研究課題/領域番号 14771256
研究機関北陸大学

研究代表者

安池 修之  北陸大学, 薬学部, 講師 (10230210)

キーワードアンチモン / 二座型不斉配位子 / 光学分割 / 不斉アルキル化反応 / Pb触媒 / Sbキラル
研究概要

本課題ではアンチモン上に不斉中心を持つ新規光学活性体の一般合成法の開発と不斉配位子としての応用を目的とし,平成15年度には以下のことを明らかとした.標的化合物には14年度に既に合成したN官能基からなる化合物に加えて0,P-Sb^*系と成る酸素およびリン官能基を含むSb^*化合物を選び,いずれもジエチニルスチバン類のSb上での求核置換反応を行い合成した.得られたラセミ体は光学活性なPb試薬との反応によるジアステレオマー誘導法を用いることでその光学分割を達成した.さらに本研究により得られた各種Sbキラル化合物を不斉配位子に用いてPd触媒下でのアセテート類の不斉アリル化反応を行い,その配位子能を比較した.その結果,オキサゾリン(N)-Sb^*化合物が極めて良好な化学および光学収率で炭素-炭素形成反応が進行することを見出した.そこで,オキサゾリン-Sb^*化合物とPd(COD)Cl_2より得られるSb-Pd錯体の構造解析をNMRおよびX線解析を用いて行ったところ,Pdに対して,NとSbが二座型で配位子していることが新たに判明した.これらの反応性とPd錯体の構造から新規Sb^*化合物も二座型配位子として機能していることが初めて明らかとなった.一方,構成するヘテロ原子の種類の違いは不斉誘導能に大きな影響を与える.そこで,Sb^*化合物との比較を目的に,PとSbを構成元素に持つ光学活性ビナフチル誘導体(BINAPSb)の簡便な合成法を新たに見出した.このBINAPSbを用いて不斉アルキル化反応を行ったところ,オキサゾリン-Sb^*化合物の方が良好な結果を示した.これに対して,Pd触媒下でのスチレン類の不斉ヒドロシリル化反応ではBINAPSbが極めて良好な結果を与え,Sb化合物も構成元素や不斉環境の違いにより,その配位子能が大きく変化することも明らかとなった.
本研究により得られた成果を活用して,今後Sb配位子特有の不斉配位子能の検索を計画している.

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 安池修之: "光学活性有機アンチモン化合物の合成とその性質に関する研究"Yakugaku Zasshi. 123. 577-585 (2003)

  • [文献書誌] S.Yasuike, S.Okajima, K.Yamaguchi, H.Seki, J.Kurita: "New optically active organoantimony (BINASb) and bismuth (BINABi) compounds comprising a 1,1'-binaphthyl core : synthesis and their use in transition metal-catalyzed asymmetric hydrosilylation of ketones."Tetrahedron. 59. 4961-4968 (2003)

  • [文献書誌] S.Yasuike, S.Okjima, K.Yamaguchi, J.Kurita: "2,2'-Bis(diarylstibano)-1,1'-binaphthyls (BINASbs) ; a useful chiral ligand for palladium-catalyzed asymmetric allylic alkylation, and the structure of a BINASb-PdCl_2 complex."Tetrahedron Lett.. 44. 6217-6220 (2003)

URL: 

公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi