• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2003 年度 実績報告書

水を溶媒として用いる環境調和型合成反応を指向した立体選択的ラジカル反応の開発

研究課題

研究課題/領域番号 14771259
研究機関神戸薬科大学

研究代表者

上田 昌史  神戸薬科大学, 薬学部, 助手 (00340935)

キーワード水中反応 / ラジカル反応 / 亜鉛 / インジウム / アミノ酸
研究概要

近年、ラジカル反応において安全な原子移動反応や1電子移動反応の開発が望まれている。また、一般に、ラジカル種は水に対して安定であることから、ラジカル反応は厳密な無水条件などを必要とせず、中性条件下で反応を行うことができる。これまでに我々は水中でも使用可能なラジカル開始剤としてトリエチルボランに着目して研究を行ってきた。そこで、平成15年度は、金属亜鉛の1電子移動能に着目し、イミン類の水中ラジカル付加反応を検討した。N-スルホニルイミンへの水中炭素ラジカル付加反応を飽和NH_4Cl水溶液存在下、ヨウ化アルキルと亜鉛を用いて行ったところ、副生成物として還元体が少量生成するものの、反応は速やかに進行し付加体が収率良く得られた。また、カンファースルタムを有するイミン類への立体選択的水中ラジカル付加反応も進行し、α-アミノ酸の新規不斉合成法を確立した。
次に昨年度、我々が開発したインジウムをラジカル開始剤とする水中分子間ラジカル付加反応を、タンデム型反応へ展開した。ビニルスルホンと活性化されていないオレフィンを有する基質のインジウムによる水中ラジカル反応を検討した。その結果、付加-閉環-ヨウ素化が進行した閉環体が高収率で得られた。本反応の特徴としては、二つの炭素-炭素結合と一つの炭素-ヨウ素結合を一段階で構築する点が上げられる。さらに、ヒドラゾンを有する基質のタンデム型付加-閉環反応も速やかに進行し、付加-閉環体が高収率で得られた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 上田 昌史: "Zinc-mediated radical reaction of glyoxylic oxime ether and hydrazone in aqueous media : Asymmetric synthesis of α-amino acids"Tetrahedron : Asymmetry. 14(19). 2857-2859 (2003)

  • [文献書誌] 上田 昌史: "Indium-Mediated Tandem Radical Addition-Cyclization-Trap Reactions in Aqueous Media"Org.Lett.. 5(21). 3835-3838 (2003)

URL: 

公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi