• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2004 年度 実績報告書

前立腺癌再燃促進物質の超高感度臨床分析法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 14771262
研究機関金沢大学

研究代表者

三田村 邦子  金沢大学, 自然科学研究科, 助手 (70242526)

キーワード前立腺癌 / 前立腺肥大症 / 5α-レダクターゼ / 活性測定 / 阻害剤 / モノリス型カラム / LC / MS
研究概要

5α-レダクターゼは代表的なアンドロゲンであるテストステロン(T)を活性な5α-ジヒドロテストステロン(DHT)に還元する酵素であるが,前立腺癌や前立腺肥大症などのアンドロゲン依存性疾患によって,その発現量や活性が変化することが知られており,有用な5α-レダクターゼ阻害剤の開発が進められている.その評価には5α-レダクターゼ活性の測定が必須であるが,従来のそれは放射性同位体標識基質を用いる方法によるものが主で,それに伴う多くの問題を有している.そこでLC/APCI-MSによる5α-レダクターゼ活性測定法の開発を企て,以下の結果を得た.
1.基質(T),生成物であるDHT及び5α-アンドロスタン-3α,17β-ジオール(3α,5α-diol)に加え,これらの5位又は3位異性体のクロマトグラフ的挙動を精査したところ,従来のカラムより高速分離可能なモノリス型カラムが有用であった.
2.Tをラット前立腺より得た酵素源,NADPHと共に緩衝液中インキュベートし,反応停止後固相抽出により精製後,LC/APCI-MSに付したところ,生成物としてDHT及び3α,5α-diolに対応するピークのみ検出された.これらの前処理操作による回収率は約80%で,5-40ng/tubeでの定量が可能であった.
3.本法を用いてラット前立腺中5α-レダクターゼ活性を測定したところ,K_m=0.91±0.3μM, V_<max>=13.0±3.5nmol/min/mg protein,また代表的な5α-レダクターゼ阻害剤であるフィナステライドの阻害活性を測定したところIC_<50>=237nMであり,いずれも報告値と符合するものであった.
以上,開発した5α-レダクターゼ活性測定法は放射性同位体標識体を用いず,定量性にも優れており,5α-レダクターゼ阻害剤の開発に有用であると期待される.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2004 その他

すべて 雑誌論文 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 前立腺癌とアンドロゲンの代謝分析2004

    • 著者名/発表者名
      東 達也
    • 雑誌名

      臨床化学 33・3,4

      ページ: 177-182

  • [雑誌論文] Determination of sulfates of androsterone and epiandrosterone in human serum using isotope diluted liquid chromatography/electrospray ionization-mass spectrometry

    • 著者名/発表者名
      Kuniko Mitamura
    • 雑誌名

      Biomed.Chromatogr. (印刷中)

  • [図書] 先端の分析法 -理工学からナノ・バイオまで-2004

    • 著者名/発表者名
      島田 和武
    • 総ページ数
      930
    • 出版者
      梅澤 喜夫, 澤田 嗣郎, 寺部 茂

URL: 

公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi