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2002 年度 実績報告書

非タンパク性神経保護因子によるニューロン死の制御機構にする研究

研究課題

研究課題/領域番号 14771280
研究機関京都大学

研究代表者

久米 利明  京都大学, 薬学研究科, 助手 (10303843)

キーワード牛胎仔血清 / グルタミン酸 / 神経保護因子 / ニューロン死 / 大脳皮質 / 一酸化炭素 / セロフェンド酸
研究概要

牛胎仔血清のエーテル抽出物中より発見した分子量382の環状ジテルペノイドであるセロフェンド酸について、グルタミン酸神経毒性に対する有効濃度および作用機序を培養大脳皮質ニューロンを用いて検討した。セロフェンド酸は1nM以下という非常に低い濃度からグルタミン酸神経毒性を抑制した。また、高濃度のグルタミン酸の短時間投与によるネクローシスのみならず、低濃度のグルタミン酸の長時間投与によるアポトーシスに対しても保護作用を発現した。培養中脳ドパミンニューロンおよび培養脊髄ニューロンにおいても、それぞれ6-ヒドロキシドパミンおよびグルタミン酸神経毒性に対して検討したところ、セロフェンド酸は保護作用を発現した。したがって、セロフェンド酸は大脳皮質以外の中枢神経系でも保護作用を発現することが示唆された。また、セロフェンド酸の神経保護作用機序に関する解析は培養大脳皮質ニューロンを用い検討した。グルタミン酸受容体機能に対する影響についてはパッチクランプ法を用いて電気生理学的な検討を行ったところ、セロフェンド酸はグルタミン酸受容体機能に影響を与えなかった。NOラジカルや活性酸素との反応については電子スピン共鳴法を用いて検討した。セロフェンド酸はNOラジカルとの反応は見られなかったが、ヒドロキシラジカルの生成を抑制した。したがって、セロフェンド酸はNO以外のラジカルとの反応によりNOを介するグルタミン酸神経毒性を抑制していることが示唆された。マススペクトリー法を用いた簡易定量法による胎仔期および成熟期のウシの血清および臓器中のセロフェンド酸の含量の測定は現在進行中である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Shirakawa, H. et al.: "Regulation of N-methyl-D-aspartate cytotoxicity by neuroactive steroids in rat cortical neurons"Eur J Pharmacol.. 454(2-3). 165-175 (2002)

  • [文献書誌] Kume, T. et al.: "Antagonism of NMDA receptors by σ receptor ligands attenuates chemical ischemia-induced neuronal death in vitro"Eur J Pharmacol.. 455(2-3). 91-100 (2002)

  • [文献書誌] Takahata, K. et al.: "Protective effects of selegiline and desmethylselegiline against N-methyl-D-aspartate-induced rat retinal damage"Eur J Pharmacol.. 458(1-2). 81-89 (2003)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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