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2002 年度 実績報告書

抗原非存在下におけるIgEによるマスト細胞活性化機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 14771281
研究機関京都大学

研究代表者

田中 智之  京都大学, 薬学研究科, 助手 (40303846)

キーワードマスト細胞 / イムノグロブリンE / ヒスタミン / ヒスチジン脱炭酸酵素 / アレルギー / 骨髄培養 / カルシウム
研究概要

マスト細胞はアレルギーや炎症反応において中心的な役割を果たす細胞であり、その顆粒内に貯留され、刺激に応じて放出されるヒスタミンはマスト細胞の主要なメディエーターの一つとして知られる。申請者はIL-3依存性骨髄由来培養マスト細胞においてIgEの感作の段階で顕著なヒスタミン合成の誘導が転写レベルで起こることを見いだした。本研究では抗原非存在下におけるIgEによるマスト細胞活性化のメカニズム、および慢性アレルギー等の疾患におけるその寄与を明らかにすることを目的とする。
1.抗原非存在下におけるIgEによるマスト細胞表現型変化の解析
検討に用いる系としてIL-3依存的な骨髄由来培養マスト細胞(BMMC)を用いる。ヒスタミン合成の誘導に加えて、SCF受容体(c-kit)の発現低下、接着因子の発現亢進といった変化が起こることを見いだした。
2.IgE結合によるシグナル伝達機構の解析
申請者はHDCの転写レベルでの誘導に細胞外カルシウムの流入が必須であることを見いだしているが、そのシグナル伝達経路に関しては不明である。そこでCa^<2+>流入を指標に抗原抗体反応との比較を行い、ホスホリパーゼCやSykといった共通するシグナル分子の重要性を明らかにするとともに、両者が部分的には異なる経路を介して活性化している可能性を見いだした。また最近いくつかのサイトカインの産生も誘導されることが報告されているが、それらの誘導機構とヒスタミン合成誘導との比較を行った。
3.IgEクローンによる応答性の違いに関する解析
申請者は複数のIgEクローンを用いて、それらの間でヒスタミン合成を初めとするマスト細胞活性化の程度が異なることを見いだし、IgE間における相互作用がこの活性化の引き金となる可能性を見いだした。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Hatae, N., Kita, A., Tanaka S., Sugimoto, Y., Ichikawa, A.: "Induction of adherent activity in mastocytoma P-815 cells by the cooperationion of two PGE2 receptor subtypes, EP3 and EP4"J.Biol.Chem.. (In press). (2003)

  • [文献書誌] Takahashi, K., Tanaka, S., Furuta, K., Ichikawa, A.: "Histamine H_2 receptor-mediated modulation of local cytokine expression in a mouse experimental tumor model"Biochem.Biophys.Res.Commun.. 297. 1205-1210 (2002)

  • [文献書誌] Tanaka, S., Takasu, Y., Mikura, S., Satoh, N., Ichikawa, A.: "Antigen-independent induction of histamine synthesis by immunoglobulin E in mouse bone marrow derived mast cells"J.Exp.Med.. 196. 229-235 (2002)

  • [文献書誌] Ohtsu, H., Kuramasu, A., Tanaka, S., Terui, T., Hirasawa, N., Hara, M., Makabe-Kobayashi, Y., Yamada, N., Yanal, K., Sakurai, E., Okada, M., Ohuchi, K., Ichikawa, A., Nagy, A., Watanabe, T.: "Plasma extravasation induced by dietary supplemented histamine in histamine-free mice"Eur.J.Immunol.. 32. 1698-1708 (2002)

  • [文献書誌] Safina, F., Tanaka, S., Inagaki, M., Tsuboi, K., Sugimoto, Y., Ichikawa, A.: "Expression of L-histidine decarboxylase in mouse male germ cells"J.Biol.Chem.. 277. 14211-14215 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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